2006年07月25日

カリオストロの城

大学時代、サークルで仲の良かった女友達が浜松に遊びに来た。

浜松と言ったらやっぱりウナギなので美味しい店にでも案内しようかと思ったらウナギはお嫌いとのこと。でもお腹は減っていてお酒もちょっと飲みたいとのことなので何度か行ったことのある品のいいダイニングバーにご案内。

店内はエアコンが効いていてボクにはすこぶる快適だったのだけれど彼女にはなんとなく少し肌寒そうな素振りが見受けられたため、ボクは携帯をかけるふりをしてこそっとウェイターのところに行き、小声で「すいません、あちらの女性にブランケットを…」。そして何事もなかったかのように席に戻った。

我ながら紳士的。う~ん、マンダム。惚れられたらどうしよう?やっぱあれかな?銭形警部に言われちゃうのかな?「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。・・・あなたの心です」みたいな、ふふっ。新婚旅行はキューバがいいな。どこまでも明るい南国の日差し、透み渡る海、サンセットビーチ、ジャパン・マネー、両手にパツキン、成田離婚。・・・そんな未来予想図を脳内で上演していると疾きこと風の如しで早速あのウェイターがやってきた。しかし、手にブランケットはない。代わりに彼女に何かの紙と筆記具を渡してさっさとフェイドアウト。よく分からないけれど何かのアンケートらしい。

それから10分くらい経過。ブランケットはまだ来ない。あのウェイターを見る限りとても忙しそうには見えない。何やってんだ?早くもってこいよ。このままではブランケットを持ってくるより先に彼女の口から「寒い」と言われてしまう。それを言われたらボクの中では負けなので、あまりこういう催促はしたくないのだがあのウェイターが近くを通った時に聞いてみた。

「すいませんが、ブランケットはどうなりましたか?」

相手の顔が一瞬ものすご~く『アッ!?』となったのが分かった。

そして小走りでブランケットを取りに行き、差し出しながら「申し訳ありませんでした。聞き違えてしまいまして・・・」。そう言い残すと彼は照れ笑いを浮かべながらアンケートを回収して去って行った。

なんのことだ?

しばらくしてやっと分かった。

ブランケットとアンケートだ!

そう言われてみれば似て・・・ないだろ。聞き違えるかね、普通?

「あちらの女性にアンケートを・・・」って、ボクは一体どんな客だ?


でも彼女に話したら笑いが取れたのでよしとする。



Posted by ガトー at 02:16│Comments(3)
この記事へのコメント
い、、、一体アンケートの内容はなんだったんでしょう(笑)
Posted by たれ at 2006年07月25日 09:18
惚れました。感動しました。
そのウェイターさんのネタ提供者っぷりに・・・
じゃなくて。ガトーさんの女性への気配りっぷりに。素敵です。
惚れました。妊娠したらどうしてくれるんですか。
キューバではなくローマらへんでよろしくお願いします。キャッ
Posted by くず猫 at 2006年07月25日 23:05
>たれさん
料理の味はどうでしたか?とか店員の接客は満足いただけましたか?とかそんなことが書いてありました。そんなもの入店直後に渡されても・・・。
「あちらの女性にアンケートを・・・」と聞き間違えて、「なんでそんなものを?」と確認しなかった彼を叱るべきなのか?それともたとえ変な要求であっても何も言わずに応えた彼を一流の接客人と見るべきなのか?今のボクは迷っています。

>くず猫さん
彼女持ち、痔持ち、職無しですが、こんなボクでもよろしければ、ふしだら者ですが宜しくお願い致しますm(__)m
それは置いといて、本来ならくず猫さんのブログの方に書くことなんですけど、あの19才の誕生日のレストランでの出来事、感動しました。気配りとはどうあるべきかというものを見せ付けられた気がします。
ケーキ屋をやっている友人がいるので誕生日や祝い事で訪れた人には何か勝手にサービスするよう強くアドバイスしておきました。
勉強になりました。ありがとうございました。
Posted by ガトー at 2006年07月27日 14:04
 
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